妻依存男性のブログ

30代会社員。妻・旅行・ゲーム・腕時計が好き

塾講師バイトの思い出

3月に入ってから、卒業式後と思われる学生を駅で見かけることが何度かありました。4月から新学期を迎える学生の中には、志望校への合格を目指して学校•家•塾で勉強を重ねた人がたくさんいることでしょう。

僕は学生時代に地元の個別指導の塾でバイトをしていました。集合塾ほどではありませんが、個別指導塾の講師も時給が良くて、やりがいのあるバイトでした。数年間続けた塾講師歴の中で、今も忘れられない子がいます。

その子は中学2年生の終わりから、数学で苦手な分野ができたことを理由に塾へ通い始めました。元々テストの点数的にも平均より上の実力があり、教えたことに対する理解も早く、3年生の1学期には苦手を克服していました。宿題はほとんどやってこないという問題点もありましたが…

彼は実力相応の公立高校を志望し、この調子で勉強すれば学力的に十分合格できると僕は思いました。しかし、彼は1年生の時から内申点が低めでした。あまり宿題をやらないというのは学校でも同じだったようで、やんちゃな側面があったこともあり、学校の先生からの印象は良くなかったようです。3年生になって勉強意欲も向上し内申点が良くなりましたが、いくら気持ちを入れ替えたとて、1年生や2年生の時の内申点を変えることはできません。

結局、彼は志望校に合格しませんでした。生徒の成績や受験結果にあまり頓着しない僕でしたが、この時は自分の指導の何が悪かったのか…より広い視野や知識を与えるべきだったのか、今のままではダメだと大袈裟に脅かすべきだったのか、何が足りなかったのかを考えました。

結論は出ないまま、最後の授業の日。僕がかける言葉も月並みなものしかなく、しかし彼はいつもの調子でサバサバと、「内申点が足を引っ張りましたねー」と言って笑いました。

1年生の時からずっと努力している子が報われるべき。僕もそう思うし、内申点の制度も生徒を評価する指標として悪くありません。ですが僕は身勝手にも、1年生•2年生の時の内申点は評価の対象外にしろ、なんて思ったものです…「先生が担当して(勉強を教えて)くれて楽しかったです。ありがとうございました」と言って塾を去った中学3年生を見送ったあの時は。