遊戯王デュエルリンクスのKCカップ2024Aprilで僕が使用した、シャドールデッキの解説記事です。まず、シャドールデッキのコンセプトと戦い方を説明します。
メインデッキのシャドールモンスターは、リバース効果 と 効果で墓地に送られた場合に発動できる効果 の2つを持っています。融合をサポートする強力な魔法•罠を活用し、融合素材として墓地へ送られたシャドールモンスターの効果でアドバンテージを稼ぎながら、融合シャドールモンスターの攻撃やリバース効果で相手モンスターを除去します。
主な勝ちパターンは、融合召喚の流れを作り継続的にアドバンテージを稼いでリソース勝負に持ち込む、または、融合モンスターの制圧効果で相手の展開を阻害している間にライフを削り切る、の2つです。シャドールには1ターンで特殊召喚を連打して3〜4体のモンスターを並べるような展開力はなく、中速〜低速のデッキタイプに分類されます。1〜2ターン目で大量展開されて押し切られることが主な負けパターンですが、逆に1〜2ターン目をしのげればシャドールの勝ちパターンに入れると言えます。
KCカップ最終日のデッキレシピを再掲しつつ、採用スキルと採用カードの解説に入ります。KCカップ中に採用枚数を変更したカードがあり、（）内の数字がその枚数です。
採用スキル:影を紡ぐ力
（抜粋）「エルシャドール・ミドラーシュ」1枚、「影依融合」3枚と「影依の偽典」1枚を追加する。自分は「シャドール」モンスターしか特殊召喚できない。(エクストラデッキからの特殊召喚は除く）
デュエル中に1度、自分の墓地・除外状態の「シャドール」モンスター1体をデッキに戻す。
シャドールを使うならこのスキル1択です。後述しますが、追加されるカードはすべて強力です。ただし、エクストラデッキからの特殊召喚を除いて、シャドールモンスターしか特殊召喚できなくなります。これが理由で「カオスソルジャー-開闢の使者」や「天狼雪獄」といった手札や墓地からの特殊召喚を伴うパワーカードを採用できず、デッキ構成が大きく制限されます。
もう1つのスキル効果、「シャドールモンスターをデッキに戻す」は非常に有用で、これがなければシャドールデッキの勝率は激減すると言ってよいでしょう。主に、デッキに1枚しか入らないミドラーシュを戻すために使います。
採用カード:シャドール関連カード
- シャドールドラゴン2枚（3枚）
リバース効果では相手フィールドのカードを1枚手札に戻し、効果で墓地へ送られると相手フィールドの魔法•罠を1枚破壊します。リバース効果は、破壊耐性のあるモンスターや墓地に送りたくないモンスター、さらには魔法•罠を手札に戻すことも可能なので汎用性が高いです。魔法•罠を1枚破壊する効果も強く、相手のセットカードを積極的に割ってリソースを削れます。
KCカップ前半は後述する「堕ち影の蠢き」とともに3積みして、リバース効果でバウンスしたり魔法•罠をガンガン割ったりしていました。しかし、ドラゴンは相手フィールドに干渉するカードであるため、先行時に引いてもアドバンテージを稼げません。KCカップの順位が上がるにつれて伏せカードの少ないデッキ（アンデアイズやTG）の割合が増えたこともあって、採用枚数を減らしました。相手の伏せカードを割るためにスキルでドラゴンをデッキに戻したことが2回あり、デッキに残っているドラゴンの枚数は特に注意していました。
- シャドールリザード2枚
リバース効果ではフィールドのモンスターを1枚破壊し、効果で墓地へ送られると他のシャドールカードをデッキから墓地へ送ります。
リバース効果によるモンスター除去も強いですが、他のシャドールカードにアクセスできる効果が重要で、シャドール魔法•罠を墓地へ落としたり、墓地のシャドールモンスターの数を増やしたりする役割を担っています。
- シャドールヘッジホッグ2枚
リバース効果でシャドール魔法•罠を、効果による墓地送り時の効果でシャドールモンスターを、デッキから手札に加えることができます。
デュエル中盤以降、ヘッジホッグをセットしたターンに堕ち影や「影光の聖選士」を使ってリバース効果を発動させ、シャドール魔法•罠を手札に加える動きは覚えておくと幅が広がります。
- 影霊の翼ウェンディ2枚
2つの効果はどちらも、デッキからシャドールモンスターをリクルートする効果です。シャドールのメインエンジンその1。
直接的に自分のボードアドバンテージを得る効果を持ちます。リクルート効果で壁モンスターを増やしたり、相手ターンの堕ち影や影光の聖選士でセットしたドラゴンやリザードのリバース効果で妨害したり、次ターンのヘッジホッグや「シャドールビースト」のリバース効果でアドを稼いだりと、貢献度の高いモンスターです。ただ、サイキック族であるために「聖魔の乙女アルテミス」のリンク素材にできず、手札に2枚来てしまうと弱いのが唯一の弱点です。
- シャドールビースト1枚
リバースすると2枚ドローして1枚捨てる効果、効果により墓地へ送られると1枚ドローする効果が発動できます。レベル5のモンスターです。
ヘッジホッグ、ウェンディ以外に自分のアドバンテージを稼げるカードがこのビーストです。シャドールは融合召喚でアドを稼ぐことが重要ですが、序盤はシャドールモンスターを集めるためにヘッジホッグやウェンディを墓地へ落とし、デュエル中盤以降にデッキが減って「超融合」や「大捕物」といった非シャドールカードが引きやすい状況でビーストを墓地へ送る方が有効だと思います。またアドバンス召喚で融合シャドールを墓地へ送ってシャドール魔法•罠を回収する動きもたまに使います。
- シャドールファルコン1枚（0枚）
リバース効果は墓地のシャドールモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚でき、効果で墓地へ送られると自身を裏側守備表示で特殊召喚することができます。
このカードがデッキにあれば、裏側守備表示のウェンディが3体分の壁になります。攻撃を受けてリバースしたウェンディの効果でファルコンをリクルート、さらに攻撃を受けてリバースしたファルコンの効果でウェンディを蘇生、で3体です。他のシャドールモンスターが墓地にいれば、そちらを蘇生してリバース効果を警戒させることもできます。速攻で勝負を決めに来る相手に対して出していきましょう。ただし、ファルコンとわかっていて不用意に攻撃してくれるプレイヤーは少なく、自分のターンにリバース効果を使ってもこのカードが攻撃力600で棒立ちして隙をさらすので、ライフを守る時以外は他のシャドールを出す方が賢明です。
続きます。
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